はじめまして。心理的安全性の高い職場にしたい若手OL、おもち(@omochidaihuk)です。
本日は、財務会計の基本について、勉強したことをまとめます。
財務会計の必要性
はじめに、財務会計とは何か、また財務会計の必要性について確認しておきます。
財務会計には、以下2つの役割があります。
- 投資家や債権者などの利害関係者に対して、調達した資金の使い道や、その結果得られた成果を報告するため
- 会社の経営状態を把握し、経営における意思決定として活用するため
少しかみ砕きますと、
「自分にお金を貸してくれた人に対し、どのように使い、どんな利益が出ているのかを報告するため」
「資金を管理し、何に使うかを把握するため」
といった感じでしょうか。
これらの目的を達成するために、日本の会計制度では、「金融商品取引法、会社法、税法」といった法律で、「全員統一のルールでお金を管理し、財政状況を開示すること」と決めています。
僕も家計簿をつけてるよ!同じようなもんだな!
お金の管理をするという意味では同じなんだけど、家の会計はその家庭内のみで完結するのに対し、企業の会計は株主や投資家など、外部の人にも影響してくるという点で異なるよ。
例えば、株式投資を行う際、ただ闇雲に投資をしようとは思いませんよね。
まず投資しようと思った会社の業績や財務状況を調べ、資産状況は安定しているか、売上率も良く今後成長していくか判断します。
借金が多い会社、今後売上拡大が見込めない会社、こういった会社に投資をしたところで、今後リターンがあるとは考えられないため、投資をしようとは思わないはずです。
このように、企業の収益性を判断する際に使用するのが、企業の家計簿である、財務諸表です。
財務諸表を作成する際、企業ごとにルールが異なり、それぞれ自由な形式で作成してしまうと、外部の人にとって正しい判断ができなくなってしまいます。
そのため、企業会計は統一のルールである「一般原則」「損益計算書原則」「貸借対照表原則」「企業会計原則注解」から構成されます。
この中でも最も重要なのが一般原則です。
一般原則には、企業会計全般における理念や指針が定められています。
どの原則にも勝る大原則であり、この原則に則って書類を作成することが基本となっています。
一般原則には7つの原則が定められています。
- 真実性の原則…最重要!真実に基づいて作成されること。
- 正規の簿記の原則…すべての取引が、漏れなく、客観的事実で、継続的に記載されていること。
- 資本取引・損益取引区分の原則…資本取引と損益取引を混同しないこと。
- 明瞭性の原則…誤解を招くことなく、誰が見ても分かる内容で作成すること。
- 継続性の原則…一度決めた処理方法は変更せず、継続して適用すること。
- 保守主義の原則…不利益をもたらす可能性のあるものについては、明確に記録に残すこと。
- 単一性の原則…提出先によって異なる計算方法や表示方法にしてはいけない。
一般原則のみ紹介しましたが、冒頭で提示しました「損益計算書原則」「貸借対照表原則」「企業会計原則注解」も重要です。
これらの原則に則り、企業の財務諸表を作成していきます。
財務諸表とは
財務諸表には「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」「株主資本等変動計算書」「個別注記表」の5つの書類があります。
それぞれ、以下の目的があります。
- 貸借対照表:経営状況を示す。赤字にならないか、倒産しないかの判断材料となる。
- 損益計算書:経営成績を示す。利益を出せているか、こらから成長するかの判断材料となる。
- キャッシュフロー計算書:お金の正確な流れについて示す。上場企業は作成が義務付けられている。資産があってもキャッシュがないと事業は成り立たないため、キャッシュについても管理しておく必要がある。
- 株主資本等変動計算書:株主からの出資について変動履歴を示す。
- 個別注記表:決算書の補足資料のようなもの。
全ての企業が作成を義務付けられている貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書については、財務3表と呼ばれています。
これらの書類を作成するうえで、最初に習得しておくべき会計の知識が「簿記」です。
次に、簿記についてざっと確認しておきます。
簿記の基礎知識
それでは、財務諸表を作成するうえで、最初に習得しておくべき会計の知識「簿記」について確認しておきます。
簿記とは、会社が日々行う取引内容を帳簿へ記入する際のルールです。
企業の会計は、我々の家計簿とは異なり、誰が見ても内容を理解できるように統一の計算方法や記載方法が決められています。このルールが簿記です。
簿記の目的は、財務諸表を作成することです。
財務諸表を作成するまでに、以下の流れで処理を行っていきます。
- 仕訳…日々の取引を帳簿に記載する
- 総勘定元帳への転記…勘定科目ごとの帳簿に日々の仕訳をまとめる
- 決算整理仕訳…決算時になったら発生する仕訳処理を行う
- 貸借対照表・損益計算書の作成
特に重要なのが、①の仕訳です。
ここで間違った記録をしてしまうと、損益の金額が変わって税金の額に影響が生じたり、正しい経営判断ができなかったりといった不都合が生じます。
簿記2級の勉強をしている際、とにかく仕訳をマスターすることが重要であることを実感しました。
ほとんどの問題のミスが、正しく仕訳を行えていないことに原因があるくらい、仕訳は重要なのです。
仕訳をマスターするためには、以下の知識を習得しておく必要があります。
- 勘定科目と財務諸表上の5つのグループについて
- 借方(左)・貸方(右)どちらに記載するかについて
仕訳をする際、どのような取引が発生しているかを考え、該当する勘定科目にあてはめ、財務諸表上のどのグループに該当するかを考えます。
勘定科目とは、取引の内容に関する見出しのようなものです。
コアラチョコレート製造工場では、チョコレートを製造するために、カカオ豆や油を仕入れています。
これらの仕入れについて、それぞれ「カカオ豆」「油」といった感じで固有名詞で記録するのではなく、まとめて「仕入」という見出しで記録していきます。
勘定科目は企業によって異なりますが、ほとんどの企業が同じような科目を使用しています。
そして、簿記特有の原則として、一つの取引には、2つ以上の取引が発生しています。
身近な例で例えると、商品を購入する際、現金を支払いますよね。
この取引には、それぞれ商品という資産の増加と、現金という資産の減少が発生しています。
現金を支払うことにより、商品を手に入れることができたのです。
また、メルカリで商品を販売し、売上1,000円が発生し、現金1,000円を取得したとします。
この場合は、商品を1,000円で売り上げたことにより、現金1,000円を手に入れることができたのです。
このように、1つの取引には、必ず2つ以上の要因が絡んでいます。
簿記は、これら全ての要因を=になるように、左と右で記載していくというイメージです。
左と右で記載していく際のルールは、貸借対照表と損益計算書の表形式に合わせた考え方になります。
貸借対照表では「資産=負債+純資産」、損益計算書では「費用=収益」という決まりがあります。
この式のとおり、資産は左、負債と純資産は右、費用は左、収益は右、でまとめていきます。
最終的にそれぞれ左と右で計上されることから、+に当てはまるものは上記のとおり左右で計上し、-に当てはまるものはその逆で計上していきます。
いちいち暗記できないんだけど…
取引の文章をよく読み、勘定科目を見つけます。
原因と結果を見つけ出すイメージです。
見つけたものから順に埋めていくと良いです。
そもそも、代表的な勘定科目を知っておく必要があるため、勘定科目を暗記しておくことは重要だと思います。
仕訳をマスターしたら、次に重要な知識が決算整理仕訳です。
これは決算時に発生する特別な仕訳で、1年分の決算書を作成する際の修正作業になります。
例えば、私はYouTubeを広告なしで再生するために、YouTubeプレミアムに加入しています。
この費用は、1年分でまとめて支払うと、月払いよりもお得になるため、一括で12か月分のサブスク利用料を支払っています。
これについて、昨年の9月に1年分を支払いました。
令和5年度のおもちの家計における決算書を作成する場合、令和6年3月31日までが計上の対象となるため、9月~3月の7か月分のみが対象となります。
その後の4月~8月の5か月分については、翌年度の費用になるため、前払費用として計上し、令和5年度の費用からはマイナス計上します。
といった感じです。
決算整理仕訳が完了したら、精算表というチェックシートのようなものにまとめ、貸借対照表と損益計算書に転記していきます。
簿記は難しいので、理論を理解したらすぐに実践しながら知識の定着を目指していこうと思います。
財務諸表の基礎について理解が深まったところで、次に法人税の計上方法や複数の企業をまとめた結合会計、キャッシュフロー計算書、原価計算といった論点に進みたいと思います。
と言いたいところですが、もう少し簿記の知識を深めておこうと思いますので、一旦ここで終わりにしたいと思います!
次回は、原価計算についてまとめたいと思います。
連結会計や原価計算らへんが難しいよね。一番は仕訳をマスターすることだから、きちんと復習しておこう!
頑張ります…!!