仕事

【組織を強くする】覚えたことをマニュアル化させ、知識を財産として残そう

おもち

はじめまして。心理的安全性の高い職場にしたい若手OL、おもち(@omochidaihuk)です。

「〇〇さんがいなくなったら、この職場終わりだよ…。」

皆さんの職場では、上記のような言葉が飛び交っていませんか。

職場全体が、一人のベテラン社員に頼り切ってしまっている状況、いわゆる、業務の属人化が発生している職場ですね。

こういった組織は、災害やパンデミックが発生した際に崩壊する危険性があります。

それでは、何故、このような職場は崩壊する危険性があるのでしょうか。

また、職場崩壊を防ぐためには、どういった取り組みを行えば良いのでしょうか。

そこで今回は、実際に私が取り組んでみて効果のあった”強い組織を構築する方法”について紹介したいと思います。

この記事では、以下の内容について知ることができます。

この記事でわかること
  • 崩壊する職場の特徴
  • 職場崩壊を防ぐための取り組み

それではいってみよう!

崩壊する職場の特徴

まずはじめに、崩壊する危険性のある職場の特徴についてお話しします。

職場崩壊とは、文字どおり「職場が崩壊し、機能しなくなった状態」を指し、職場全体のパフォーマンスが低下している状態に陥ることです。

具体的に崩壊してしまう職場とは、どういった特徴があるのでしょうか。

業務が属人化している

まず最初に、業務が属人化しているという特徴が挙げられます。

これは、個人商店化している組織や、社員間の知識に格差がある組織ほど発生している問題です。

一部の優秀な社員に業務が属人化してしまうと、いざその社員が異動してしまった際、誰も代わりに処理することができず、組織が回らなくなってしまいます

また、業務の属人化が起きると、業務の見直しが行われることが少ないため、時代にあった変革や効率化が図られないといった問題が発生します。

このように、業務の属人化が発生している組織は、人事異動や時代の変化とともに崩壊する危険性があります。

知的資産が蓄積されていない

次に、知的資産が蓄積されていないという特徴が挙げられます。

知的資産とは、人的資産、組織資産、関係資産などを指します。

人的資産とは、社員が持つスキルやノウハウのことで、個人が持つ暗黙知(=言語化されていない、その人自身が持っている経験や勘、直観などに基づく知識)などが挙げられます。

組織資産とは、職場に残り続ける資産のことで、人的資産を形式知化(=言語化された知識)したスキルやノウハウなどが挙げられます。

関係資産とは、これまで築き上げてきた顧客との信頼関係や社外との繋がりが挙げられます。

これらの資産は、現金や機械等の目に見える資産ではありませんが、組織の活動が円滑に回るためには、必要不可欠なものと言われています。

崩壊する組織は、知的資産の蓄積ができていません。

その結果、一部の優秀な社員が異動するとともに、知的資産を失い、組織がうまく回らなくなってしまいます。

経路依存症の罠に陥っている

最後に、職場の業務が経路依存症の罠に陥っているという特徴が挙げられます。

経路依存症とは、経験の積み重ねがないと蓄積できない経営資源のことを言います。

通常、競争社会においては、競合が真似することが難しい(時間がかかる)資源をもつことは、持続的な競争優位につながるため、メリットがあるとされています。

長い年月をかけて継承されてきた経営資源は、他社が簡単に手に入れることができるものではないので、企業ならではの強みとされています。

その企業が辿ってきた経路=歴史自体に価値があるのですね。

しかし、何の根拠もなしに、ただ「今までこのやり方でやってきたから。」という理由だけで、過去の歴史や仕組みを踏襲し続けるのは、全く意味がありません。

昔ながらの制度や仕組みに依存することにより、組織の活動が円滑に進まなくなる状態を、経路依存症の罠に陥っていると言います。

このように、経路依存症の罠に陥っている組織は、災害やパンデミックが起きた際、イレギュラーな対応ができず、崩壊する可能性があります。

組織崩壊を防ぐにはどうしたら良いか

それでは、組織崩壊を防ぐには、どういった対策をとれば良いのでしょうか。

それは、

「社員一人ひとりが得たノウハウやスキルを、組織全体で共有し、後世に残していく」

といった対策をとることが重要だと考えます。

経営理論でおなじみの、ナレッジマネジメントです。

具体的には、①知識を共有し、②形式知化させ、③マニュアルとして残し、④後世の社員が体得する、という流れで知的資産を残していきます。

実際にどういった方法で実践すれば良いのか、おもちの取り組みを例に挙げながらお話ししていきたいと思います。

SECIモデルに沿った知識の継承

まずはじめに、知識の共有・継承をするうえで有名な手法である、[SECIモデル]についてご紹介します。

ナレッジマネジメントでは、個人の持つ暗黙知を、組織的な形式知として活用することが大切です。

この暗黙知を形式知に変換する流れを、4つのプロセスで説明したものが[SECIモデル]です。

SECIは、Socialization、Externalization、Combination、Internalization の頭文字をとったものです。

それぞれ、以下のような意味があります。

  • Socialization :共同化
  • Externalization :表出化
  • Combination :連結化
  • Internalization :内面化


実際に私が取り組んだ事例を挙げながら説明します。

Socialization :共同化

1つ目の、『Socialization :共同化』とは、個人の持つ暗黙知を、別の個人が、自分の暗黙知として取り込むプロセスです。

複数の個人が共通の体験をすることにより、特定の個人が持つ、言葉にならないノウハウのようなものを、別の個人が吸収することができます。

具体的には、OJT(実務を通じた暗黙知の継承)において実施されています。

例えば、上司や先輩と一緒に営業に回りながら、顧客との話し方や自社製品の売り込み方等を、目で見て耳で聞いて学んでいくようなイメージです。

これについては、ほとんどの職場が取り組んでいるプロセスだと思います。

しかし、このプロセスのみで組織を回している場合、毎年優秀な社員がきちんと引き継ぐことができていれば問題ないのですが、そうでなければ知識が継承されず、瞬く間に組織は崩壊します。

そこで私は、先輩方から見て学んだ知識を後世にも確実に残していくために、2つ目以降のプロセスに重点的に取り組んでいきました。

Externalization :表出化

2つ目の、『Externalization :表出化』とは、個人が持つ暗黙知を、他人に伝わりやすくするため、言語や図表などを使って形式知にするプロセスです。

上司や先輩から見て学んだことを、誰もが分かりやすい言葉で形式知化させます。

具体的に私が取り組んだことは、『先輩から教わったことは、少しでも気になる点があれば、随時質問したり、自分で調べたりして、言語化させる』です。

表出化を実現させるためには、他人と対話をしたり、一緒に考えたりすることが有効です。

少しでも気になった点があれば、先輩方に質問をして、自分なりの言葉で表出化させます。

このときポイントとなる点は、質問する際は相手への敬意を忘れないこと、です。

先輩方は、忙しい中でも、苦労しながらスキルを積み上げてきたのです。

それを、新人が何の苦労もせずスキルを得ようだなんて、ちょっとズルいんじゃない?と考える先輩もいるかもしれません。

※実際、おもちは「わざと知識を共有しない」といった考え方をする人が苦手です

また、昭和世代に多いのが、『新人は会社に貢献できるまでは、言われたとおりに仕事をこなせ!』という考え方です。

こういう人たちに、『この仕事は何のために取り組む必要があるのか?』といった質問をすると、『新人のくせに生意気だな。いいから言われたとおりにこなせ』といった感じで、イラっとされることもあり得ます。

そこで、先輩方に質問をする際は、必ず以下の流れで質問をするよう心掛けています。

  1. 先輩から教わったとおりに取り組んでみる
  2. 少しでも気になった点は、調べられる範囲で根拠まで調べる
  3. 先輩の知識をお借りしたくて…=あくまでも相談という姿勢で意見を求める
  4. ③の方法で相手に嫌がられたら、他の信頼できる先輩に尋ねるか、自分で調べつくす

先輩のお知恵をぜひ拝借したいです!というスタンスを忘れずに、相手に意見を求めます。

こちらが誠実に対応している場合、まともな先輩であれば何かしら助言をしてくれます。

しかし、いじわるな先輩やプライドが高い先輩は、わざと応えなかったり、嫌味を言ってきたりします。

この場合は、他の信頼できる先輩に尋ねるか、最悪自分一人で根拠を見つけ出します。

そして、自分なりの言葉で教わったことを言語化させます。

頭の中でモヤモヤっと覚えたことを言語化させると、記憶が定着するため、仕事を覚える意味でもおすすめです。

また、他人から教わることではないけど体得しておくべきスキル(顧客との話し方や空気の読み方、仕事の進め方等)は、周りの言動をよく観察しながら、自分なりに感じたメリットやデメリットをまとめます。

例えば、電話対応のコツである『オウム返し』については、周りの先輩方の電話対応を観察して学んだスキルであり、それを言語化させました。

電話対応に慣れないうちは”オウム返し”で乗り切れ!電話対応の手法である「オウム返し」という技についてお話しします。...

また、仕事を早く覚える方法については、周りの優秀な先輩方が実際に取り組んでいるお仕事術を真似してみたり、アドバイスをもらったりしながら、自分なりに言語化させました。

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このように、周囲から教わったことや学んだことは、教わって終わらせてしまうのではなく、納得がいくまで自分なりに調べて、言語化させていきます。

シゴデキなリスさん

質問をすることによって、先輩との信頼関係を構築することにも繋がると思うよ。

Combination :連結化

3つ目の『Combination :連結化』とは、個別の形式知を組み合わせて、新たな形式知を生み出すプロセスです。たとえば、文章にされた個別のメモを体系立ててマニュアルを作るようなケースです。

2つ目の段階では、自分なりの言葉で表出化させていたと思います。

ざっとメモにまとめられているといった状態ですね。

それを今度は、誰もが分かる言葉に置き換え、マニュアルとしてまとめます。

マニュアルを作成する余裕がない場合は、PCのメモ帳にざっとプロセスと根拠だけまとめ、関連するフォルダに入れておくだけでも良いです。

とにかく、誰もが分かる言葉に置き換え、資料やデータとして残すことが重要です。

マニュアル作成については、以下の記事もご参照ください。

【仕事を早く覚えるコツ】自分マニュアルの作り方自分マニュアルの作り方について、誰でも簡単に今すぐできる技をいくつかご紹介します。...

Internalization :内面化

4つ目の『Internalization :内面化』とは、個人が形式知を理解し、自分自身のノウハウやスキルとして体得(暗黙知化)するプロセスです。

マニュアルとして残した資料を、他の社員が読み、そこから先人たちが残してきたノウハウやスキルを、自分のスキルとして体得します。

自分のスキルとして体得した後、その個人が経験を積んで、新たな暗黙知を獲得します。

そしたら、今度はまた1つ目の共有化に戻り、同じように言語化して残していくのです。

以上のプロセスを繰り返すことにより、組織に共有の知識(形式知)が蓄積されてい
きます。

シゴデキなリスさん

知識が洗練されていき、後世の職員にいくにつれ、組織が成長していくことが理想だね。

まとめ

最後に、知的資産を残して組織を強くすることの重要性についてまとめておきます。

  1. 崩壊する職場は、知的資産が蓄積されていないことに原因がある
  2. 暗黙知を共有⇒形式知化⇒体得する、を繰り替えすことにより、知的資産が蓄積される
  3. 知的資産が蓄積されていくと、組織は安定していく

以上です。

自分のスキルアップにつなげるためにも、仕事を円滑に進めるための工夫を心掛けていきたいですね。

日々工夫しながら、自分にとっての最善のお仕事術を身につけていきましょう!

以上!おしまい!

ABOUT ME
おもち
27歳OLです。中小企業診断士の資格取得を目指し勉強中。誰かにわかりやすく伝えることが好きで、会社では暇さえあればマニュアル作ってます。部下にとって、相談しやすい理想の上司になることが目標。”誰でもできる”お仕事術や考え方を発信しています。