勉強日記

【中小企業診断士財務会計②】原価計算について

おもち

はじめまして。心理的安全性の高い職場にしたい若手OL、おもち(@omochidaihuk)です。

本日は、原価計算について、勉強したことをまとめます。

原価とは

原価とは、特定の製品や活動にかかったお金のことです。

一つの製品を販売するまでに、様々なコストがかかっています。

原材料を仕入れた際の費用、それを加工するための機械設備の電気代や維持費、製品をつくる工場部の人件費、出来上がった製品を販売するための広告宣伝費やそれを販売する営業部の人件費といった、生産活動や販売活動にかかった費用のことを、原価と言います。

原価を計算する目的は、次の2つがあります。

  1. 利益を正しく把握するため
  2. 効率よく利益を出すための判断材料とするため

一つの製品をつくるまでに、どれだけのコストがかかっているかを把握しておくことにより、①どれくらいの利益を生み出しているのか、また、②どの部分のコストを下げることができるかを判断することができます。

売上を伸ばしていくうえで、原価を管理しておくことは非常に重要です。

売上原価と製造原価

原価には、売上原価と製造原価の2種類があります。

  1. 売上原価:実際に売れた分の商品にかかった費用
  2. 製造原価:製品の製造にかかった原価

あえて商品と製品にマーカーを引きました。

まず、商品と製品の違いを理解しておく必要があります。

商品とは、「自らが製造・加工したものではない、つまり商品は外部から調達したものを言います。

それに対し、製品とは自ら製造・加工したもの」を言います。

チョコレートクランチで言いますと、コアラチョコレート製造会社が作っているチョコレートは、製品です。

また、そのチョコレートを仕入れ、クランチチョコレートを作っている工場もクランチチョコレートという製品を作っています。

そしてクランチチョコレートを仕入れている小売業者であるスーパーが、クランチチョコレートという商品を販売しているのです。

つまり、「売上原価」とは、小売業者が計算するもの、「製造原価」とは、製造業者が計算するものになります。

一般的に、商品を販売するまで、工場⇒卸売業者⇒小売業者といったように、川上~川下に様々な業界が存在し、それぞれの役割を担っています。

それに対し、製造から販売までを自社で一貫して行う業態がSPA(製造小売業)です。

SPA(製造小売業)は、ファッション商品の企画から生産、販売までの機能を一つの会社内で行います。

例としては、ユニクロや株式会社アダストリア(グローバルワークやローリーズファームを扱うアパレル企業)を指します。

企画から製造、販売まで自社で行うため、流通コストの削減や、顧客のニーズを共有することができ迅速な商品開発ができるといったメリットがあります。

このような会社では、製造原価と売上原価の両方を計算し、損益計算書を作成します。

いぬ先輩

だからユニクロは比較的安い商品が多いのか!

それでは次に、売上原価、製造原価それぞれの求め方を確認していきます。

売上原価の計算方法

売上原価の求め方は、簿記3級で学び始めます。

計算方法は以下のとおりです。

売上原価=期首商品棚卸高+当期商品仕入高-期末商品棚卸高

期首商品棚卸高とは、年度当初に抱えている在庫の総費用です。前期に売れ残っている在庫のことを言います。

当期商品仕入高とは、今期仕入れた商品の総費用です。

期末商品棚卸高とは、年度末に残った在庫の総費用です。

売上原価は、期首+当期-期末の商品棚卸高で求められます。

いぬ先輩

ややこしいな…意味わからん…!

図で表すと、以下のイメージです。

期首に30円分の在庫を抱えていて、そこに当期20円分の仕入れが加わりました。

期末の在庫は10円分だったため、期末の在庫分をマイナスしてあげることにより、期中は40円分の商品を売り上げたことが分かります。

販売した分は売上原価となり、残った分は繰越商品となるのです。

いぬ先輩

仕入れた分が売上原価になるわけではないんだね。

リスさん

販売した分が売上原価になるよ。年度当初にある在庫から販売していくから、当期仕入れた分を全部売上原価にするわけではないんだ。

売上原価を求めるのは、決算整理仕訳のときになります。

日々の仕訳では、仕入と売上のみを記載しているため、原価については記録していません。

リスさん

毎日何百種類という商品を売り上げているのに、原価と利益を毎日記録しろなんて言われたら仕事量が多すぎるよ…。だからまとめて年度末に利益を計算するんだ!

そのため、損益計算書を作成する際、日々の仕訳帳簿だけでは原価が分からず、実際の利益がどれだけでたのかが出せません。

そこで、決算時に、期首の商品原価と当期の商品原価を足して、残り余った分の商品原価をマイナスすることにより、当期販売した分の原価を算出します。

その後、売上高から売上原価を差し引くことにより、売上総利益を算出することができるのです。

この売上原価を求める際に必要な仕訳が、上記の図で示した作業になります。

実際に仕訳をする際に出てくる有名な公式が、「しーくりくりしー」です。

しーは仕入、くりは繰越商品(在庫)を表します。

期首の商品は、販売するため、仕入の費用に入れ、繰越商品からマイナスになります。

期末の商品は、売れ残りのため、仕入の費用には計上せず、繰越商品に計上されます。

そのため、前半のしーくりでは、仕入(費用増加)が借方、繰越商品(資産マイナス)が貸方にきます。

後半のくりしーでは、繰越商品(資産増加)が借方、仕入(費用マイナス)が貸方にきます。

これらの仕訳を精算表に記載することにより、仕入=売上原価と繰越商品が正しい数値に修正されるのです。

※3級に合格するレベルであれば、しーくりくりしーだけ覚えておけば何とかなります。

製造原価の求め方

つぎに製造原価の求め方についてです。

製造原価の原価計算は簿記2級の工業簿記の範囲になります。

実は私、この分野が苦手なんですね…

簿記2級の大問5で出題される原価計算が嫌いで…というか工業簿記自体あんまり好きじゃなくて…勉強していて楽しくない(´;ω;`)

苦手克服のためにも、ブログでアウトプットしながら復習頑張ります!

製造原価の種類

製造原価は、製品の製造工程で発生する原価です。

製品を製造するのに、2つの考え方のインプットがあります。

  1. 直接費:製品を作る際に直接的に関係するもの
  2. 間接費:製品を作る際に間接的に関係するもの

さらに、インプットの形によって、3つの種類に分類することができます。

  1. 材料費:原材料や部品
  2. 労務費:労働力
  3. 経費:材料費、労務費以外で製造にかかった費用

大枠が、直接費・間接費、そこから材料費・労務費・経費に分類されます。

コアラチョコレート製造会社のインプットは以下のとおりです。

  1. 直接材料費:カカオ豆や油
  2. 間接材料費:チョコレートを入れるパッケージ
  3. 直接労務費:工場でチョコレートを製造している従業員の給料
  4. 間接労務費:工場で経理担当を務めている従業員の給料
  5. 直接経費:カカオ豆を仕入れる際の輸送費
  6. 間接経費:工場の電気代や食堂の費用

つまり、チョコレートを製造するのになくてはならないものが直接費、補助的要素として必要とされるものが間接費、といった考え方で覚えます。

リスさん

チョコレートを作るのに、パッケージは必要ないよね。パッケージは、チョコレートを他の企業に販売する際に必要になってくるので、チョコレートに直接的に必要な材料ではないけど、販売するうえで必要な材料であるため、間接材料として扱われるんだ。

引っ掛けで多いのが、「本社の営業部の従業員の給料」といったように、同じ会社だけど工場では働いていない従業員の給料が混ざっていることがあります。

一見、間接労務費にしてしまいそうですが、工場で発生した費用ではないので計上しません。

製造原価について基礎がわかったところで、製品を製造していく段階の仕訳について確認していきます。

仕掛品と製品について

次に、製品を製造していくうえで覚えておくべき仕訳の知識が、「仕掛品と製品」です。

製品を製造する際、工程ごとに途中の段階のものが出来上がりますよね。

例えば、おもちの好きな和菓子であるいちご大福ですが、①もちを作る⇒②あんこをつくる⇒③もちの中にあんこを入れる⇒④いちごを乗せる、といった工程でいちご大福が作られます。

この①の段階で出来上がったもちについてですが、最終的ないちご大福を製造するのに、製造したもちの全てを使い切るとは限りません。

原価とは、最終的に製品として製造した分のみが対象となります。

そのため、いくらたくさんもちを作ったからといって、全て原価にしてはいけないのですね。

それでは、作ったもちはどのように管理しておけば良いのでしょうか。

そこで登場するのが、「仕掛品」です。

仕掛品とは、製品にはなっていないものの、製造途中で出来上がったものになります。

いちご大福で言うと、もちとあんこですね。

そして、この仕掛品であるもちとあんこは、最終的に一緒になって、いちごが乗せられることにより、いちご大福という製品に生まれ変わります。

この製品こそが、当期製品製造原価となり、既に出来上がっていた期首製品製造原価と足し合わせて、販売されなかった分の期末製品製造原価が差し引きされ、最終的に売上原価となります。

先ほども述べましたが、売上原価とは販売した分のみが対象になります。

仕掛品が製品となった後は、この製品が販売された分はいくらかを計算し、それを売上原価とするのです。

ここまで一旦復習しますと、

  1. 材料費・労務費・経費を算出し、投入した分を記録する
  2. ①を全て仕掛品として計上する
  3. ②の仕掛品のうち、最終的に製品となった分だけを製造原価とする
  4. ③の製造原価のうち、最終的に販売した分だけを売上原価とする

※②~④においては、期首と期末に存在する分についても考慮する

製造原価を求めるうえで基礎が分かったところで、いよいよ製造形態ごとの原価の算出方法を学んでいきます。

おもち

これを覚えるのが苦手…

原価計算は、製造形態ごとに以下4つの計算方法があります。

①個別原価計算、②総合原価計算、③標準原価計算、④直接原価計算

オーダーメイドであれば、①個別原価計算、チョコレートクランチのように一つの製品を大量に作るのであれば、②総合原価計算といった感じで、製品や製造形態によって原価の算出方法が変わるのです。

次回はこの計算方法について、一つずつ確認していきます。

ABOUT ME
おもち
27歳OLです。中小企業診断士の資格取得を目指し勉強中。誰かにわかりやすく伝えることが好きで、会社では暇さえあればマニュアル作ってます。部下にとって、相談しやすい理想の上司になることが目標。”誰でもできる”お仕事術や考え方を発信しています。